公益財団法人 大阪産業局

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従業員が会社の金銭を横領した場合の対応

Q

従業員が会社の金銭を横領した場合の対応

従業員が会社の金銭を不正取得している疑いがあり、懲戒解雇等の手段を検討しております。会社側の対応として注意すべきポイントはどこでしょうか。横領した金額の返還がされない場合、退職金を不支給とすることは可能でしょうか。

A

証拠による事実関係の認定と解雇事由に該当するかどうかの慎重な判断が必要です。


 金銭の不正取得が疑われる場合、証拠によりその従業員が行ったものと言えるか検討する必要があります。その際、故意での不正取得(横領)か、過失による行為かについては、後の裁判で争点となることが少なくないですので、このあたりの証拠までそろえるようにしてください。
 まずは、本人からよく事情聴取することが重要です。事業説明書を書かせて問題となる具体的事実を記載させるのが有効な方法です。
 この際、同書面に、不十分な点や虚偽の事実や不合理な弁解があったとしても、突っ返したりせず、そのまま受領した上で,追加の説明を求めるようにして下さい。不合理な説明をしていたことの証拠とすることもでき、聞き取る際に会社側が本人の言い分を十分聞き取っていたとの証拠にも使えますので、一旦受け取った上で、話を進めるようにしてください。
 慎重に調査した上で、社員が故意に金銭を不正取得したことが判明した場合は,懲戒解雇することも検討に値します。また、民事事件として損害賠償請求、刑事事件として被害届、告訴等の手段も検討されるべきでしょう。
 不正取得の金額が大きい・反復継続して長期間に及んでいる場合、返金がなされていない、反省もしていないなど事案の重大性が認められる場合は懲戒解雇相当の事案といえます。但し、不正取得した金銭の額、会社の実質的な損害額、懲戒歴の有無、それまでの会社に対する貢献度、反省の程度等によっては、より軽い減給、出勤停止等の処分にとどめるのが妥当な事案もあります。
 懲戒解雇とする場合は、就業規則に該当する懲戒事由があること、本人の弁解の機会を与えることなどの就業規則に沿った手続を履践することが必要です。
 また、退職金を不支給にできるかは、貴社の就業規則の退職金規程の不支給事由に該当するかの問題となります。横領した金銭の返還請求との関係で、社員が、自由な意思の下、任意に権利を放棄することも法的には可能ですが、自由な意思でなく、強制的な要素があるなか退職を迫った場合は、後に紛争となる場合がある点に注意が必要です。

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