公益財団法人 大阪産業局

ゲスト さん

事業承継のために遺言を作成する際の注意点

Q

事業承継のために遺言を作成する際の注意点

私は、小さな会社を経営していますが、70歳を超えたので、そろそろ息子に会社を譲ることを考えています。それにあたり遺言を作成したいのですが、注意点を教えてもらえますか。

A

まずは、法律の形式通りに作成することが重要です。


 遺言とは、遺言をする者が、自分の財産の分け方や認知等の身分関係について記載しておくことで、死後に民法上の効力が認められるものです。
 遺言がなければ、相続人が遺産分割協議を行って遺産を分けることになります。遺産分割協議が整わなければ、調停や裁判をする必要性も生じ得ます。その結果、うまく事業承継できず、事業自体がまわらなくなってしまう可能性があります。そこで、遺言の作成は大変重要なことになります。
 遺言の方式は、民法で決まっており、その方式でなければ効力がありません。
 一般的な遺言としては、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。自筆証書遺言とは、全文、日付及び氏名を自署し、印を押した遺言です。公正証書遺言とは、公証役場にて作成する遺言です。秘密証書遺言とは、証書に署名押印し、証書を封じ、証書に用いた印章を使用して封印し、その封書を公証人1人及び、証人2人以上の前に提出し、公証人及び証人に遺言の存在を確認してもらう遺言です。内容を人に知られたくないなどの事情がなければ、公正証書遺言が最も後の紛争が生じにくい方式ですので、公正証書遺言が適切です。
 次に、遺言の内容が問題となりますが、代表者名義で会社が使用している財産、株式などを後継者に相続させる遺言を作成してください。ただし、遺留分を害さないように気をつけてください。遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人が有する権利であり、相続財産のうちの一定割合(民法1028条参照)を受け取ることができる権利です。したがって、一人の相続人に全ての財産を相続させるとの遺言を作成しても、相続財産のうち一定割合は他の相続人が取得できてしまいます。遺留分を害する遺言については、相続発生後、遺留分権利者の請求により、後継者が相続した財産を他の相続人に渡さなければならなくなる可能性があり、事業承継が失敗することになりかねませんので、遺留分を害さないように気をつけてください。
 なお、遺留分は家庭裁判所への申立てで放棄することができますので、遺言作成後、後継者以外の相続人を説得して、遺留分を放棄してもらうということも検討すると良いでしょう。
 また、遺言が確実に実行されるよう遺言において遺言執行者の指定をしておくことを忘れないようにしてください。

回答した専門家
スタッフコンサルタント
事務局に相談

スタッフコンサルタント

こんにちは、迷っている方はコチラにご相談ください!

スタッフコンサルタントとは、中小企業診断士からなる経営相談室に常駐している経営コンサルタントです。
多くの相談に応じてきた経験を活かし、経営全般に関する悩みや課題解決のお手伝い、起業支援をしています。

ライセンス

中小企業診断士

重点取扱分野

・販路拡大、商品開発、資金繰りなど経営全般に関する経営課題へ...

この相談に関連する相談