公益財団法人 大阪産業局

ゲスト さん

従業員を募集・採用する際の注意点について教えてください

Q

従業員を募集・採用する際の注意点について教えてください

最近、事業が軌道に乗ってきたため、何人か従業員を採用しようと検討しています。
従業員を募集・採用するにあたって、注意すべきことはあるでしょうか。

A

関係法令を遵守し、労働条件を明示した上で雇用契約書を作成することが重要です。



1.募集に関する注意点
 従業員(以下「労働者」といいます)の募集にあたっては、求職者に対し、従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示する必要があります(職業安定法5条の3)。労働条件の明示に際しては、労働条件の虚偽表示・誇大表示による紛争防止のためにも、誤解を生じさせないよう平易な表現を用いる等の的確な表示に努める必要があります(同法42条)。
 また、男女の差別的取扱いが禁止されているとともに(男女雇用機会均等法5条)、募集・採用について年齢制限を設けることが原則として禁止されており(労働施策総合推進法9条)、注意が必要です。
2.採用に関する注意点
(1) 労働者を採用するにあたっては、下記の労働条件を明示しなければなりません(労働基準法15条1項、労基則5条)。
 ① 労働契約の期間に関する事項
 ② 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間、更新回数の上限も含
   む)
 ③ 就業の場所・従事する業務の内容に関する事項(変更の範囲を含む)
 ④ 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働、休憩時間、休日、休暇、2組以上に分けて
   就業させる場合の就業時転換に関する事項
 ⑤ 賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切り・支払いの時期・昇給に関する事項
 ⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
 ⑦ その他(退職手当、賞与、安全衛生、職業訓練、表彰・制裁など)
 なお、①〜⑥のうち昇給に関する事項以外は、必ず明示する必要がある事項(絶対的明示事項)であり、⑦は定めがある場合には明示しなければいけない事項(相対的明示事項)です。
(2) 労働条件は「書面等」を交付する方法により明示しなければならず、労働条件通知書の交付による方法が一般的ですが、労働条件を明示した「労働契約書」を作成し、労働者に署名押印させておく方が、労働者が自分の労働条件を十分に理解して納得したことを形に残せることになります(労働契約法4条参照)。
 なお、アルバイトやパートタイムで労働者を雇用する場合にも、労働条件の明示は必要です(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律6条)。
(3) また、労働条件に関するトラブルを防止するために、採用の際に就業規則の内容を説明して、理解させておくことも大切です。
3.まとめ
 このように労働者の募集・採用には多くの法的ルールが設けられており、その内容は業種業態や職務内容、契約形態等により様々です。
 また、上記以外にも募集・採用のルールや工夫すべき事項が多くあるため、実際に労働者を募集・採用される際には、弁護士等の専門家に相談されることが良いと思われます。

(回答日:2026年2月27日)

回答した専門家
大西 隆司
法律(弁護士)

大西 隆司

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