公益財団法人 大阪産業局

ゲスト さん

「事業性評価融資」とは何ですか?

Q

「事業性評価融資」とは何ですか?

最近、「事業性評価融資」が着目されているようです。通常の融資とは何か異なる点があるのでしょうか?

A

事業内容や成長可能性等も評価して行う融資のことです。


「事業性評価融資」とは、決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して行う融資のことです。

○一般的な融資  … 財務データと保証・担保で融資可否を決定
○事業性評価融資 … 事業内容や成長可能性等も評価して融資可否を決定

従来の金融機関のスタンスとしては、借入の申込を受けた時には、決算書の内容や保証・担保の有無をもとに判断することが一般的でした。貸したお金が返済してもらえないようなことがあると困るためです。

ところが、そうした手法による融資では、成長力はあるものの、決算書の内容があまりよくない企業の場合、事業に必要な資金が調達できないことがありました。

そのような、成長力のある企業や、有望な事業計画を有する企業が資金的な制約のために事業を遂行できず、実力を発揮できないとなると、雇用や地域経済、ひいては日本経済にとってもマイナスです。

そうしたことから、平成25年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」には、「日本産業再興プラン」の具体策の一つとして、「地域金融機関等による事業性を評価する融資の促進等」が盛り込まれました。

国として、事業性(事業としての有望さや成長可能性等)を評価した融資が行われるように促進していくという方針が出されたことになります。

これを受けて、平成26年9月11日公表の金融庁の方針(「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針」)にも、「事業性評価に基づく融資等」が盛り込まれました。

この金融庁の方針の中で、「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる。」と明記されました。

金融機関を監督する金融庁の方針が従来とは大きく変化したことになります。

「円滑な資金供給の促進に向けて」(平成27年7月発行)という金融庁のパンフレットにも、「金融機関が目利き能力を発揮して、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援することは、金融機関の果たすべき基本的な役割です。金融庁では、金融機関がこうした役割をしっかりと果たすよう、事業性評価に基づく融資等を促しています。」として、「自らの事業の内容や今後の見通し等について、金融機関によく説明・相談してみましょう。」と書かれています。

では、この事業性評価融資を受けるためにはどうすればよいかですが、金融機関に自社の強みや今後の事業展開の計画について、十分に知ってもらうことが必要です。

金融機関が事業性評価を行うには以下などの情報が必要です。
・経営者の経営能力や経営理念、経営ビジョン
・決算書には表れない企業の強み(優秀な人材・ノウハウ・技術・顧客資産・優良な仕入先・社外ネットワークなど)
・今後の事業展開の計画

そのためには、以下の項目を記載した事業計画書を作成し、金融機関に対して説明することが有効です。
・経営理念・経営ビジョン
・事業概要・沿革・実績
・自社の強みや課題
・外部環境分析(市場・顧客のニーズ、競合の状況など)
・今後の経営方針
・具体的な行動計画等
・数値計画(損益計画・投資計画・資金計画等)

なお、決算書には表れない企業の強みのことを「知的資産」と言います。自社の知的資産について洗い出しを行い、知的資産の活用について記載した「知的資産経営報告書」を作成することは、事業計画書の作成や金融機関への自社の説明において、非常に有効です。

回答した専門家
片山 祐姫
マーケティング戦略

片山 祐姫

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